調剤薬局、ドラッグストア

業界の垣根を越えて競争が激化。市場全体は拡大傾向

業界の概要

調剤薬局は医師の処方箋に基づいて医薬品を調剤、販売し、病院の近隣に店舗を構えているケースが多い。一方、ドラッグストアは、大衆薬の他に、化粧品、日用雑貨、食料品なども取り扱う。市場規模としては、経済産業省「専門量販店販売統計月報」によると、2014年ドラッグストアの販売額は4兆7,987億円、店舗数13,432店舗となっている。

2009年6月に大衆薬(OTC医薬品)の販売資格として「登録販売者」が設置されたことで、登録販売者が常駐すれば薬剤師がいなくても、副作用の少ない医薬品(第2類、第3類)が販売可能になったことで、スーパーやコンビニ、各種量販店などが市場に参入し競争が激しくなっている。

さらに2014年6月の薬事法改正により、要指導医薬品を除く一般用医薬品全て(第1類含む)のネット販売が可能になったことでさらに、競争に拍車をかけ、M&A、積極的な新規出店なども規模にかかわらず活発に実施されている傾向が見られる。

 

各種統計

大手ドラッグストア、調剤薬局の合計売上高推移
大手ドラッグストア、調剤薬局の合計売上高推移


ドラッグストアの販売構成
ドラッグストアの販売攻勢

調剤薬局(ドラッグストア)の中小M&A状況

2014年にはフォーマライズホールディングスと岩淵薬品との資本提携、ココカラファインとクオールの業務提携、2015年9月にはイオンがグループドラッグストア4社に向けて統合を進めるなど、大手企業による再編の動きが強まっている。また小規模、中小企業のM&Aにおいても株式売却、事業譲渡などの動きが目立つようになっている。

主要企業(上場企業またはその主要子会社)

  • 【 ドラッグストア 】
  • ・サンドラッグ           連結売上高445,818百万円(2015年3月期:うち、ドラッグストア事業301,750百万円)
  • ・スギホールディングス       連結売上高383,644百万円(2015年2月期:うち、スギ薬局383,015百万円)
  • ・ココカラファイン         連結売上高349,164百万円(2015年3月期)
  • ・コスモス薬品           連結売上高302,941百万円(2015年5月期)
  • ・マツモトキヨシホールディングス  連結売上高485,512百万円(2015年3月期:うち、マツモトキヨシ284,198百万円)

  • 【 調剤薬局 】
  • ・アインファーマシーズ     連結売上高187,904百万円(2015年4月期)
  • ・日本調剤           連結売上高181,844百万円(2015年3月期)
  • ・総合メディカル        連結売上高107,945百万円(2015年3月期)
  • ・クオールSDホールディングス  連結売上高114,363百万円(2015年3月期:うち、保険薬局事業103,242百万円)

関連法規

  • ・医薬品医療機器等法(旧薬事法)

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